体重を落としたいと思っている方は多いと思います。体重にもいくつか種類があり、骨、筋肉、臓器、脂肪などです。体重を落としたいと考える多くの人たちは脂肪を落としたいと思っているはずです。
大抵の場合、脂肪燃焼の為のダイエット法というとカロリーを可能な限り下げて、たくさん運動をするという考えが主流で、この考え方は決して間違っているわけではありません。
ですが、どんなものにも「どうしてそうなるのか」というメカニズムが存在し、そのメカニズムを理解せずに脂肪燃焼を行うのは難しいでしょう。
現代人の食生活
1960年代より食生活に炭水化物が必要不可欠とされ2019年の現在までこの食習慣が勧められてきました。戦後と比べ、食材が豊富になったこともあり、より糖質を含む炭水化物が多く、そして低価格で入手できるようになり、結果、糖尿病、高血圧、甲状腺機能低下症、肥満、など代謝に関する病気などが上昇してきたことも事実です。
炭水化物は必要です。赤血球はミトコンドリアがないので脂質を分解してエネルギーにすることができないので、ブドウ糖の存在が不可欠です。
食べ物はエネルギーだけではない
多くの方は、食べ物は燃料だと考え、カロリーというエネルギーを蓄えるために食べるという認識が多いようです。もちろん、エネルギー無しに肉体は動かないので間違いではありませんが、食べ物はエネルギーだけではなく、ビタミン、ミネラル、酵素など食べ物を分化しエネルギーとして細胞に供給のサポートをする重要なものが存在します。
脂肪燃焼をする場合、脂肪はエネルギーなのだから食べ物がエネルギーなら食べる必要がないと思いませんか?もちろんそうなのですが、それだけではないんです。後ほど順を追ってお話しします。
3つのエネルギー
食材の中に3種類のエネルギーを持つものがあります。炭水化物、たんぱく質、脂質です。
炭水化物は分解するとブドウ糖に代わります。ブドウ糖が血中に存在するとインスリンが分泌し、細胞へと運びます。
たんぱく質はアミノ酸に分解されます。また、ブドウ糖が存在しない場合、ある種のアミノ酸は肝臓でブドウ糖に変換されエネルギーとしてインスリンによって細胞にエネルギーとして運ばれます。
脂質はグリセロールと脂肪酸に分解されます。この際に、ブドウ糖が存在しない場合はインスリンではなくグルカゴンというホルモンが分泌され、最近話題のケトンというエネルギーとして細胞を活性化します。
インスリンとグルカゴン
脂肪燃焼を理解するためには2つのホルモンの存在を理解しないと難しくなってきます。インスリンとグルカゴンは正反対の性質(役割?)を持っています。
インスリンは、溜める作業が主です。どこに溜めるのかというと細胞内です。また、糖質の量が体の必要量を超えると勿体ないので脂肪という形で溜めていきます。
グルカゴンは、燃焼が主な作業です。燃焼には段階があるようで、最初にグリコーゲンという筋肉と肝臓に主に蓄積される糖質を使います。その後、グリコーゲンを使い切ると脂質を分解します。
インスリンとグルカゴンは同時に存在することがなく、ブドウ糖の存在の有無に応じてどちらが働くか変わってきます。唯一、同時に存在することが可能なのがたんぱく質を摂取した時です。先ほども話したようにたんぱく質はアミノ酸に分解されある種のアミノ酸は糖に変えることが可能なので、炭水化物ほどの量ではないのですが、インスリンの分泌が発生します。
脂肪燃焼のカギはインスリン
質問です、すぐ使えるエネルギーが存在する場合、時間の掛かるエネルギーを体が使うと思いますか?すぐ使える方が効率がいいですよね?炭水化物はすぐ使えるエネルギーです。ですが、炭水化物が存在するとインスリンの分泌があるので、燃焼ではなく蓄える方になってしまいます。もちろん、細胞はインスリンが蓄えたエネルギーを使うのですが、食べ過ぎてしまったり、頻繁に食べているとインスリンは常に分泌された状態になります。そうなるとお腹周りの脂肪はいつまでたっても落ちませんよね?
脂肪燃焼のカギはインスリンの分泌を抑えることです。インスリンが活発でない状態になるとグルカゴンが働き始め、どんどん脂肪を燃焼していきます。インスリンの分泌を抑えるためには炭水化物、特に糖質の摂取を抑えることが重要です。
しかし、脂肪の燃焼し始めるのには少々時間が掛かります。理由は今までインスリンに頼り切っていたからです。なので、2ー3週間は炭水化物を抑える代わりに、脂質を増やしてみましょう。一番の食材としては肉、魚、卵です。脂質を与えることによりより効果的にグルカゴンが働いてくれます。体脂肪が燃え始めると半永久エネルギーなので食事はエネルギーの為でなく栄養素の為、味の為、楽しむためと目的が変わってきます。
また、お腹が空いてない場合は食べないという習慣も脂肪燃焼を効率よく進めてくれます。この際に、食べるときに重要なのが野菜と動物性たんぱく質の摂取です。上記で食べ物はエネルギーだけではないと話したように、栄養素もエネルギー分解には重要です。野菜ではブロッコリー、ホウレンソウ、アスパラガス、玉ねぎなど、多少多めに野菜を摂るように心がけましょう。動物性たんぱく質は牛肉、鶏肉、魚、卵などがお勧めです。
牛肉は色々と悪い情報が流れていますが、牛肉には他にはないカルニチンという成分があり、グルカゴンの働きをより活性化してくれます。ステーキなどは高いので牛ひきがお勧めです。
赤血球と脳の糖質は?
当然な質問だと思います。正確には脳細胞は優秀で糖質でも脂質でも働きに支障は出ません。糖質でしか働かないという証明はありません。逆に、脂質の方が脳へのストレスが少なくアルツハイマーや認知症を遅らせるという情報もあります。ですが、赤血球はそうはいきません。実際にミトコンドリアがないので糖質が必要です。では、どうしたらいいでしょう?
先程、たんぱく質がアミノ酸に分解され、糖質が存在しない場合は肝臓がアミノ酸を糖質に変えるという話をしました。つまり、足りていない分の糖質はアミノ酸から生成されます。ただし、筋肉からのアミノ酸なのでたんぱく質の摂取は必需になってきます。分量にすると1食、男性は手の平2枚分、女性は1枚分が目安です。
他にも糖質の出どころはあります。野菜です。あまり重視されていないのですが、ブロッコリー、アスパラガス、ナスなどは全て炭水化物です。果物、イモ類、米、砂糖などと比べるとほとんどありませんし、インスリンにもあまり影響がないのですが、それでも糖質であることには間違いありません。
インスリンは悪者?
こういう記事を書くとインスリンは悪者、炭水化物はダメという様に取られがちですが、全くの正反対です。
インスリンの蓄えるという性質がなければ我々は今現在、存在していないでしょう。筋トレをした後に回復の為にはやはりインスリンの働きが重要になってきます。ただ、現在の食生活ではより多く、より頻繁にインスリンが分泌されているので正常に戻しましょうということです。
また、炭水化物にしても重要なエネルギー源であり炭水化物を含む食材の栄養素も人間には必要です。ただ、インスリンと同様に現代の食習慣は摂り過ぎなのでリセットしましょうということです。
個人的な食習慣
個人的な食習慣としては、まず4時から5時くらいの間に起きます。起きた後はそのままジムで筋トレをします。個人的に胃に何かが入った状態で運動するのが嫌なのと時間的に無理なので、空腹状態で筋トレを1時間程します。内容はほぼスクワットとデッドリフトを中心とした重量挙げです。
筋トレ後はプロテインシェイクを飲むのですが、プロティンパウダーと水だけの組み合わせです。プロティンパウダーは低糖質のものを使っています。1杯2gくらいです。前日の食事は8時には済ませているので完全に脂肪燃焼モードですね。7時から11時くらいは午前中のトレーニングです。11時か12時くらいは脂質多めで糖質少な目(10g以下)のサラダです。卵や牛肉などがサラダの上に載っているといった感じです。ドレッシングはオイル&ヴィネガーです。
1時から6時くらいまではまた、クライアントのトレーニングがあるので、お腹が空いてきたらまた、プロテインシェイクに頼る感じです。たまにチーズをハムで巻いたものを食べることもあります。
夜は、炭水化物が入るのですが、一日中脂肪を燃やしていたのであまり気にしていません。逆にその方が睡眠の質がいいので炭水化物、たんぱく質、脂質を適当に取っています。週末にはビールも普通に飲んでいます。
こういう生活を週5で3カ月続けるとどうなるかというと、最近基礎代謝の検査してもらったのですが、一日のカロリー消費の89%脂肪で基礎代謝が2300カロリーというデータが出てきました。つまり、2000カロリーは脂肪燃焼ってことですね。数年前に同じ検査をしたのですが、その時は62%で基礎代謝が1800カロリーでした。
よく、上のような食生活で筋肉が落ちないかと聞かれて一時期は答えられなかったのですが、結果的には3カ月で脂肪が8%(22%ー>14%)落ち筋肉が2キロ位(64ー>66㎏)増えたと出ています。なので、答えは落ちなかったです。
理由は多分、完全に炭水化物を断ったわけではないからというのと筋トレを週4でやっているからだと思います。
ここから始めよう!
では、どこから始めたらいいのか。食事を3食、摂る場合は夜以外は炭水化物を抜きましょう。炭水化物は、パン、麺、ご飯、ジュース、シリアルなどです。理由は2つあります。朝一番はストレスホルモンが一番高い時間帯です。炭水化物を摂ると更にストレスホルモンが分泌され2ー3時間後には眠くなりコーヒーやエナジードリンクなどが必要になったり、糖質を欲するようになります。それでは悪循環です。
朝のお勧めはオムレツです。万が一、時間がなかったりお腹が空いていない場合は、朝食抜きでもオッケーです。朝食は必ず食べなくてはというのもあまり根拠のない話です。
昼も、炭水化物を極力減らし、野菜とたんぱく質中心にしましょう。
夜は、ここまで脂肪燃焼で来たので自由です。ですが、ゆっくり食べ満腹中枢を働かせながら食事を楽しむ習慣を付けましょう。
シマダコウタ
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